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染織用語集

着物や織物の世界では、普段なじみのない言葉が使われています。
そこで、よりご理解いただければと用語集を作りました。
あまり専門的にならずに、ユーザーに近い立場で、服作りの視点も含め、ご説明しています。

1. あ 〜 こ

 

2. さ 〜 と

 

3. な 〜 ほ

 

4. ま 〜 わ

 

1. あ 〜 こ

植物の一種で、これを用いて染めたものを藍染めといいます。
山藍や蓼藍など、その種類は豊富です。
藍は強い香りのため虫が寄りつかないので、昔から実用着の多くが藍染めにされていました。
最近は合成染料におされて、植物藍だけの染めは少なくなっています。

糸を布地に織りあげてから染色することをいいます。
友禅、絞り、小紋、更紗など、一般に染めのきものといわれているものは、後染めです。

経糸に強いよりがかけてあるためにあらわれる、デコボコしたしぼが特徴的な織物です。
徳川11代将軍、家斉が好んでお召になったところから、その名が生まれたといわれています。
正式名はお召縮緬で、あらかじめ精練、染色した糸を用いて織られる先染めの縮緬織物です。
種類は産地名をつけたもの(西陣お召、桐生お召)、組織によるもの(紋お召、通風お召)、糸質によるもの(上代お召)などがあります。

非常に細かい四角の点が縦横に整然と並ぶ文様です。
「鮫」「行儀」などと共に、小紋の代表的な柄です。

模様がところどころにおいて「かすった」ように織られた染め文様のことです。
柄になる部分の経糸、緯糸を糸でくくって、色が染まらないようにしてから染色した糸を使って織りあげます。
いかに柄合わせに意を尽くしても微妙にズレが生じ、そのズレが得もいわれぬ風合いになります。
「絣の足」と呼ばれる、そのかすれたような独特の美しさが、絣の身上です。
絣柄としては、蚊絣、十字絣、亀甲絣、井桁絣、絵絣などがあります。

大人用きものが一枚できる用尺に織られた反物のことです。
幅約36センチ、長さ約11メートル40センチになります。
小紋などの染めのものは染め着尺、紬などの織りものは織り着尺といいます。

糸それぞれの繊維がバラバラになるのを防ぐために撚り(より)をかけます。
撚りをかけることで、毛羽が立ちにくくなり、織物にコシが出ます。

強撚糸とは通常よりも、さらに強く撚った糸をさします。
布面にしぼが立ち、しわになりにくく、さらっとした肌触りで、夏物に使用されることが多いです。

化学染料に対して天然の材料で染める方法を指すこともありますが、一般的には植物の花、葉、根、皮、果実等を原料にして染色する方法を意味します。
地方により用いられる材料がことなり、産地の特色となっています。
藍(あい)や茜(あかね)紅花(べにばな)、五倍子(ふし)などが材料になります。
化学染料にはない滋味あふれる味わいがあり、多くの愛好家がいらっしゃいます。

栗繭 くりまゆ

栗の葉を食べる野蚕の繭から採れる絹糸です。
古くは釣り糸としても使われたとか。
現在、栗繭だけで織物が作られることはほとんど無く、反物に野趣を添えるために、普通の絹糸に混ぜて使われます。

糸を何本か引き揃え左に撚り、その撚れた糸をまた引き揃え、その合糸された糸をまた右に撚りをかけた撚糸を双撚りと言います。
駒撚りとは双撚りと撚り方は同じでも撚度 (撚り回数)のきつい撚糸のことを差します。

2. さ 〜 と

精練した糸を織る前に染めることです。
紬、縮、お召など、織りのきものといわれているものは先染めです。

夏の代表的な着尺です。
もじり織りの一種で、古来からある織物です。
すけていますが、緯糸一本に対して経糸二本を交差させるので、生地に腰があります。
細かい網目のようですので、光に透けるとモアレ模様が見えます。

麻糸で織られる着尺地です。
もともとは中布、下布に対して称したもので、上等の布を意味していたようです。
むかしは大麻が多く使われましたが、現在は苧麻がほとんどです。
越後上布、能登上布、薩摩上布、宮古上布など、夏の高級着尺地とされています。
紬では糸をつくることを手紡ぎというが、麻織物では手績み、あるいは苧績(おう)みと言い、苧麻を手で細く裂き、指先でつないで一本の糸にします。
この糸で平織にした薄手の麻織物が本来の上布になります。
近年では、機械紡績によるラミー糸などを用いた薄手の夏物着尺地も、上布と称するようになっています。

越後上布の織元・桑原織物の桑原さんによると、織り手の少ない現代だから高価なのではなく、往時から高価な織物として珍重されていたそうです。
網元や回船問屋が好むような、海産物に由来する柄などもあったそうです。

絹の原糸に撚り(より)をかけた生糸のままでは、絹の主成分であるフィブロインを粘着させている硬たんぱく質の一種であるセリシンが付着しており、絹と言えども固くてごわごわしています。
「精練」とは生糸の表層に付着しているセリシンを取り除く工程を言います。
精練が完了することで、絹独特の白度と艶が出てきます。
「染色」する前に糸の精練をおこなうのは、糸に染料が均等に浸透する為の、たいへん重要な工程となります。
業者さんは「練り」と言っています。

経糸とは、織物を構成する際に、経に入れる糸のことを言います。

表面に独特のしぼがありシャリっとした涼感のある肌触りなので、夏の単衣や浴衣に用いられます。
強い撚りをかけた緯糸を使って織り、その後精錬(不純物を除去する作業)すると、撚りが戻ってシホが生じます。
小千谷縮、明石縮、越後縮などが有名です。

イラクサ科の多年草で「からむし」「ラミー(ramie)」とも呼ばれています。
その繊維が古くから織物の原料として使われ、現在各地で上布と呼ばれる麻織物の材料になっています。
苧麻の茎の表皮から繊維をとり,繊維を細く裂いて手で積み,長い糸を作ります。

布地一面にしぼのある絹織物です。
強いよりをかけた糸で織りあげ、その後、精錬して独特のしぼをたてます。
しぼの大きさにより、一越縮緬、二越縮緬、三越縮緬、鬼縮緬などがあります。
一越より二越の方がしぼが大きく、鬼縮緬は三越より大きなしぼのものです。
着尺だけでなく、羽尺地、コート地、帯地、衿地、帯揚げ地、襦袢地など幅広く使われています。

蚕(かいこ)の繭(まゆ)から糸を取り出し、より(ひねり)をかけて丈夫な糸に仕上げて織った絹織物のことです。
経糸か緯糸、あるいはその両方にくずまゆや玉まゆからとり出した糸、つまり紬糸(つむぎいと)を使っています。
太さの一定しない糸で織られているため、節のある野趣に富んだ織物になります。
最近では、量産の難しい手作業による伝統工芸品などとして高価なものが売られていますが、もともとは出荷できないまゆを使って普段着として織られていました。

天蚕 てんさん

蚕には家蚕と天蚕の二種類があります。
家蚕は室内で育て、桑の葉が飼料です。
野蚕は自然の山野に放して育て、クヌギ、コナラ、カシワ、シラカシなどの葉を食べます。
全国の山野に生息していますが、一部の地方では飼育もなされています。

家蚕のまゆが白いのに対して、野蚕のまゆは緑色をしています。
そのまゆ1粒から長さで600〜700m程度、1、000粒から重さで250〜300g程度の糸が得られます。
この糸は天蚕糸とよぱれ、光沢が優美で、太く、伸度が大きく、織物にして丈夫で、しわにならず、暖かく、手触りも良いなどの優れた特徴があり、繊維のダイヤモンドにもたとえられて珍重されています。
なんでも繭ひとつが100円、キロ40万円とか。

近年では化粧品にも使われています。

3. な 〜 ほ

絹糸のセリシン分を取り除かずに織り上げられた絹織物です。
通常の絹織物より、さらっと張りのある手触りです。

斜文織(綾織)、繻子織(サテン)とともに三原組織の一つです。
経糸と緯糸を交互に織りこんだもので、最も基本的な織り方になります。
薄くて平らな感じがします。
和服地の多くがこの織り方です。

表と裏に反対色の紋様が表れる多重織物の読み名です。
布面に現れる色数によって二色風通、三色風通、四色風通とあり、着尺や帯地に使われます。

絹織物に対して、麻織物や綿織物の総称として使われていた言葉です。
麻や綿の糸が、絹糸に比べて太かったから、このように呼び慣わされていたようです。

名前とは違い、花の黄色いアザミに似たキク科の植物です。
古来から紅色を染める材料、口紅の材料として使われてきました。
山形県の県花になっており、置賜紬の主な染料になっています。

4. ま 〜 わ

蚕の繭を煮た物を引き伸ばして綿状にしたものです。

通常のたて糸に加えて、「からみたて糸」というもう一本のたて糸を必要とするので、「からみ織」とも呼ばれます。
もじり織には特殊な織り方や装置を必要とします。
紗(しゃ)、絽(ろ)、羅(ら)の3つの織り方があります。

織物は糊をつけて織り上げていきますので、織り上がった反物にも当然糊が付いてます。
仕立てる前の反物を湯に通して、その糊を落とす作業のことを湯通しと言います。
40℃前後の温水で洗い落とし、反物の本来の風合いを引き出します。
糊はカビの原因にもなるので、すぐに仕立てをない場合でも先に湯通しをしておいたほうが良いです。

反物に湯のし機(蒸気発生装置付き)の蒸気にあてて、生地の風合いをやわらかくすると共にシワを伸ばしたり、巾や長さをそろえる仕上げの工程です。

織り手が横から通して織り上げる糸のことです。
経糸に緯糸をくぐらせる事で、織り上げていきます。

経糸と緯糸をからませて網目状に透けた、盛夏向けの織物です。
夏の帯地などにも用いられます。

もじり織と平織り、綾織りを組み合わせて織られた、透け感のある盛夏向けの織物です。
透ける織り柄により、格子絽、紋絽など種類があります。

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